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2016.04.14 Thursday
<発達障害Q&A>
Q. 

小2女子の母です。先生の言っていることを理解できでない様子で、集団行動ができない (1人で好きなことをしてる)、勉強についていけないということで先生の方から指摘されての通級を勧められました。

衝動的に目に入ったことをしてしまう、次から次に好きなことに手を出す、じっとしてないでフラフラ好き勝手に立ち歩く、先生の言っている意味が理解できないのも、じっと話をきいていられないから理解できないというのが大きいようです。また、座っていられない、聞いていられない、計算が苦手などがあります。

現在、通級指導教室に通っていますが、病院へ行っていません。医療機関での診断を受ける必要があるのかどうか悩んでいます。
同居の義父母が「診断名が付くことで嫁入りの際に不利になる」とか「生命保険に入れなくなる」などと言います。「相手に伝えない選択もある」と伝えると、何かあったときに該断がついたことが後からわかると大変だといいますし、保険契約の場合は伝える義務があるため、それ以上の反論はできません。

義父母との関係もあるため私自身も悩んでしまいます。医療機関を受診することのメリットとデメリットを教えてください。



A.   

お話の様子ですと、多動と集中力の問題があるようです。もしかすると学習障害もあるのかもしれません。医療を受けるデメリットはよくわかりませんが、メリットはいくつかあると思います。

診断をつけるかどうかは別ですが、心理検査や知能検査、作業療法士や言語聴覚士による評価などは、本人の状態を客観的に理解する手助けになります。落ち着きのないうっかり者として、無駄に叱責されるよりも、ずっと本人の成長を促すことになるでしょう。

おじいちゃんやおばあちゃんの小学生の頃とは、教育の考え方も随分と変わってきています。本人の努力不足や親のしつけの問題にしてしまうのは、誰にとっても不幸なことと思います。

 

発達障害は、支障が出ることで診断につながりやすいので、 もともとあっても、診断を受ける年齢は様々ですね。環境によって目立つ場合もあれば、目立たないこともあります。環境の整備が大きな影響力を持ちますね。
 

例えるなら、「左利き」の状態と共通点があります。世の中、右利きが多数派なので、すべてが右利き仕様になっています。はさみもそうですし、改札のチケット投入口も右側です。レストランに行くとフォークもスプーンも右側に置かれてしまいます。まるで人間はすべて右利きというのが前提になっています。
数十年ほど前までは、左利きの子どもに対して、家庭や学校で右利きに「矯正」する練習をさせることがよくありました。親や先生にしてみれば、ゆくゆく不便なのだから、今のうちに「正しく」 直してあげるのが本人のためという思いだったのでしよう。

 

発達障害のある人たちが占める割合は、人口全体の5~10% あるいはそれ以上と言われています。これはとても大きな数字です。この数字は何に近いかというと、血液のAB型や左利きです。それほど多いということです。
 

ですので、これは障害者の数字ではなく、少数派の数字といえるのです。AB型や左利きを障害者とは呼びませんね。
 

さて、診断についてですが、特に今、診断をはっきりさせるメリットが本人にも家族にも思い当たらないのであれば、医療機関にかかる必要はないと思います。児童精神科は、他の病院と同じように、今必要という時に受診をすればいいと思います。小児科に行くのと同じです。
 

「保険加入」については、精神科でも内科でも診断名によっては加入に制限がつくのは、発達障害に限ったことではありません。最近は、さまざまな保険がありますから、多少選択の幅は狭くなったとしても、保険加入そのものができないわけではないと思います。
 

おじいちゃんおばあちゃんにしてみれば、いろいろと心配なのでしようが、発達障害という言葉が左利きと同じように使われる時代も夢ではないように思います。早くそんな世の中にしていきたいですね。
 

えじそんくらぶ会報 『カラフルライフ』Vol.85より転記
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